この夏「ピクサー長編アニメーション20周年記念」の話題映画「インサイド・ヘッド」は「感情」がテーマの作品でした。

 ヨロコビ・イカリ・カナシミ・ムカムカ・ビビリの5つの感情がヒロインの女の子ライリーの頭の中にあり、大騒ぎしながら、調整しながら、ライリーの言動を決めているのです。
 物語はそれら5つの感情たちにある日生まれたトラブルとそれの解決のためのそれぞれの活躍が描かれます。こういうことが映画のモチーフになり得るということも目からウロコでしたが、内容は最新の心理学の知見を踏まえたものだそうです。大団円ではわたくしも思わず落涙してしまったのでした・・・。


 ところで、
 5つの感情の中で唯一のポジティブ感情である「ヨロコビ」。なぜ、1つしかないのか。

 結局わたしたち人類は生存のためにネガティブ感情を先に発達させました。最も原始的な「爬虫類の脳=脳幹」は、ビビリ(恐れ)とイカリの塊のようなものです。
 現在でも、わたしたちは自分の生存が危うくなると、これらの感情が支配的になります。

 しかし、わたしたちの生がサバンナで肉食獣に捕食されるかどうかだけを考えることだけでできているのなら別ですが、周囲とつながり集団をつくって狩猟採集農耕をするようになると、ポジティブ感情が必要になります。


 そこで後から発達した「ヨロコビ(ポジティブ感情)」。ポジティブ心理学では、ポジティブ感情を以下の10通りに分類します。
 。ヾ遒(Joy) 感謝(Gratitude) 0造蕕(Serenity) ざ縮(Interest) ゴ望(Hope) Ω悗(Pride) 愉快(Amusement) ┯殄(Inspiration) 畏敬(Awe) そして 愛 (Love)
(『ポジティブな人だけがうまくいく 3:1の法則』バーバラ・フレドリクソン、日本実業出版社、2010年)


 すみません、ここまでは例によって「長すぎる前振り」でした…。


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 研修のお客様から、また嬉しいお知らせをいただきましたので、ご紹介させていただきます。


 研修後2週間、お盆の土曜日のある店舗。

 忙しいながらスタッフ6名が全員そろっている日だったので、会社のゼネラルマネジャー(GM)から店長に、「三者面談に同席してくれませんか?」と提案。

 店長も同意し、急遽、GMと店長による社員への三者面談となりました。

 
 その結果、どうなったでしょうか・・・。

 ここから先は、GMからいただいたメールをそのまま引用させていただこうと思います。

 (固有名詞だけ伏せております)



毎日毎日、朝から晩まで社員さんと向き合い闘っている店長、
嫌われ役になって、親の気持ちになって、
叱責、注意、励まし、それを諦めず繰り返して頑張っていました。

ただ、昨日の面談は、まず承認から入って、
たくさんたくさん相手を認め、そして改善してほしいことを
店長が話しました。

私は店長と社員さんの話をじっくり黙って聞いて、
一通り終了したところで、店長を後押しするよう、
まず相手をたくさん承認して、
それから、少しコーチングを織り交ぜ質問して考えさせたり、
また若い従業員にはわかりやすく例を挙げて、
「A君とB君がいて・・・
A君はこういう人、B君はこういう人、
もしあなたが社長だったら、A君とB君のどちらを選択しますか?」
など、とにかく相手のレベルに合わせ、優しく向き合いました。

そう、店長と私、本当に向き合いました。
そういう面談になりました。

今まで店長も手に負えなく悩んでいたくらい手ごわかった若い社員さんたちが
みるみるその場で変わっていくのがわかりました。

これが承認の成果だと思いました。

現場で毎日のように彼らと向き合い、
叱り、諭し、励ましていた店長ですが、
なかなか相手には通じていなかったので、
悩み苦しんでいた店長ですが、

昨日は、まず承認から入り、
自分の言葉で相手をたくさん認めていました。

社員さんたちも「面談→叱られる」と思っていたようで、
いきなりたくさん認めてもらって調子が狂ったような?
でも、心の中では嬉しくて、素直にならざるを得なくなってしまったかのようでした。

私は、社員さんの変わり方もさることながら、
店長の成長を目の前で見ることができて、
嬉しくてそれだけで感無量の気持ちでした。
正田先生の「承認マネジメント」が目の前で実践され、
相手がどんどん変わっていく・・・
本当に素晴らしかったです。

6人の社員さんの面談をいたしましたので、
連続して4時間、狭い休憩室で、
店長と私は足がしびれて参りましたが、
承認マネジメントの心地よさで二人とも
足の痛さが吹き飛びました。

休憩室から現場に戻った時、
そこには依然より顔つきも良くきびきび、
生き生き動いていた社員さんたちがいました。

店長と私の承認が彼ら一人一人の心に確実に響いたのだと
確信が出来ました。

今まで味わえなかった心地よさを充分に感じて、
私の帰宅の足取りも軽く、本当にすがすがしい気持ちでした。
ここに「承認マネジメント」の成果を充分に感じ、
先生にご報告申し上げます。

本当に正田先生との出会いに感謝いたします。
と同時に、先生を見つけてくださった弊社牧田社長と
そして、あの講習をしっかりと自分の中に取り入れ、
実践をしてくれた店長の成長に感謝したく思います。

7月29日の先生の講習を店長はとにかく楽しみにしておりました。
「自分に必ず何かを習得したい」とそうも申しておりました。
その言葉通りに彼女は、「承認」を習得し、
それを実践して、素晴らしい成果を手に入れました。


社員さんたちは若い社員さんも多いので、
今回だけの承認では足らず、これからもこういう承認を繰り返す必要はあると
思いますが、態度が明らかに違ってきておりますので、
これからが楽しみです



 こういうご報告(お客様にわたしからそんな言葉もおこがましいんですが)でした。

 ・・・さて、何か補足できることがありますでしょうか・・・


 メールに出てきた「店長」は、タカラヅカの男役のようにビシッと背筋の伸びた、かっこいい女性です。
 きっとご自身は厳しい環境で歯を食いしばって育ってこられただろう、と思うような。

 そういう方にして「承認」を学ばれるというのは、ご自身の過去の整理も意味するであろう、また繰り返し自身の中に湧く「背中を見てついてこい!!」という思いとの葛藤でもあるであろう、決して簡単ではなかったはずです。

 でもこの方は乗り越えたのでした。たぶん信頼するGMからの背中押しによって、またご自身のもともと持っている克己心によって。
 そこへもうひと押し、たぶん『行動承認』の嘘いつわりのない世界によって。ひょっとしたらそこに出て来た男女のマネジャーたちの「成長物語(ビルドゥングス・ロマン)」は店長の目にも魅力的に映ったかもしれない。


 
 きっとこの店長からの「承認」というのは、厳しい中に人一倍正確な観察眼に基づいた、若いスタッフたちの成長意欲を刺激するものであっただろう。そういう言葉に出会えるというのは、若い働き手たちにとってどれほどの幸せでしょう。


 この三者面談の翌日も、「スタッフたちの態度が変わったことで店長も力がみなぎったようだ」とGMからのメールにあり、研修で意図した「両方よし」が実現できたようなのでした。



 当協会の「承認」自体は、いまだ学術的に検証されていませんけれども正しいものです。
 ただ同じものでも、信念を共有してくださる、心正しく真摯なお客様のもとにインストールされたとき、絶大な力を発揮します。

 そしてわたしは決して力を誇示したいわけではなく、ひとえに当事者の方々の人生がどれほど幸せだろう、と想像することで心が満たされるのでした。また、「学術的に検証されてない」ということについても、聡明な方ならこうやってわかってくださる、これ以上わざわざ証明が必要だろうか、という気もするのでした。


 お忙しい中のひとときを割いて嬉しいご報告をくださったお客様に感謝です。



 また、こうしたことをブログで公表することで「承認学校」に自分が否定された、と感じる人びとがわたしを罵り嘲りたいなら、どうぞそうなさってください、幸せになるべく努力する人たちの幸せと引き換えにはできませんから、と思うのでした。



(一財)承認マネジメント協会
 正田佐与