以前の拙著『認めるミドルが会社を変える』(2010年)では、「大人に教える16か条」として、マネジャー教育のためにこれまで研修機関、講師として心がけてきたこと、取り組んできたことをまとめてみました。
 今見ると章のタイトルにもとっていないし、目立たない書き方しちゃったなあと思います。

 このところの「研修内製化の波」それも『行動承認』出版後に「オレも承認の講師になれるかも?」と思われたかたのご参考用に、再掲しておきたいと思いました。

 その16か条とは・・・

^貭螳幣紊慮修時間数、継続性、期間を確保する
△罎辰りした丁寧な講義。質疑を奨励する間合い
9峙粗睛討砲弔い突論的根拠を示す。できるだけ本物の講師にも触れさせる
ぜ講生への承認
ゥ侫ローアップ。宿題を出し、コメントをして返す。相互に共有するほか
Ε瓮襯泪、パネルディスカッションなどで情報共有。先輩の姿を示す
Д泪優献磧柴瓜里離灰潺絅縫謄を作り、交流を促す
┯開講座もできるだけマネジャー同士で受講できるようにする
「宿題を太田教授にみてもらおう」「承認大賞に応募しよう」などのキャンペーン
私自身の姿勢がぶれない、一貫したメッセージを発する
つねにマネジャーの人格を尊重する。手段として見ない。仕事の忙しさ、大変さに共感を示す
断言口調でものを言わない。絶対不変の真理であるように言わない
「上から口調」でものを言わない
私自身が常に学んでいること、それを発信すること
マネジメントはつねにネガティブなことと対面することを迫られる。それに鑑み、セミナーをあまり楽しくエンタテインメント風に演出しない。ブログでも時折ネガティブなことも書く
阿△襭嫁越しの研修では、1年目に成果を挙げた受講生6名を「内部講師」に仕立て、2年目の研修(6回連続)に順番に来て体験談を話してもらった


 以上であります。

 まあざっとみてリーダーシップの行為に似ている、という感想もありえるでしょう。

 これはあくまでわたしが「承認」という、一般的にはむずかしいものをマネジャーさん方に教えて習得していただく場合のものです。業界ではむしろ特殊なほうの心得だと思います。講師の先生によって、力点の置き方は違うでしょう。びっしりデータを書き込んだ、特殊なグラフを使ったスライドとか、すごい早口でしゃべりまくるとか、そういうところにアイデンティティを置かれる先生もいらっしゃるかもしれません。

 今はわたし自身もこの16か条を全部はやれていないところもあるなあと思います。40代前半に比べるとかなり疲れてしまいましたね。イベント業とかできないですもんね。

 逆に最近ある方に評価していただいたような、「シンプルでわかりやすい」一方で「哲学的な思考が土台にある」ことを感じていただく、というのも、16 か条には含まれなかった、でも大事な要素なのだと思います。めったに指摘していただけないがわたし的には大事にしてきたところだけにありがたいお言葉でした。また学びやすさに配慮するためできるだけ易しい言葉を使って語るのでともすればその背後の哲学的思考というのは、なんとなく感じはするのだけれど知覚されず、言葉の易しさだけが「利用可能性」として印象づけられて内製化を招いてしまうところがあるので、ありがたいお言葉でした。その評言をくださった方は学生さんの論文にも細やかなコメントをされる方のようです。

 またの後半、「できるだけ本物の講師に触れさせる」のところは、最近はやれていませんが、任意団体〜NPO時代の前半には、東京や神奈川からわたしが「これは」と思う講師の方をお招きして、「本物の先生」に登壇していただく、ということをしていました。「強み」の森川里美さん、「部下力」「ビジョンマッピング」の吉田典生さん、システム思考の小田理一郎さん、それに「行動理論アメフトコーチング」の武田建氏にも。そう、システム思考さんとは仲良かったナー。

 やっぱり「本物」は違うんです、教えてきた迫力とか奥行きが。質疑をしても対応が全然違うんです。
 (だから、訓練不足の人が講師をやったら受講生さんが可哀想なんですよ。)

 システム思考に関しては、わたしは確か東京で基礎〜応用と2つか3つのコースを受講しましたが、それで自分が人に教えられるようになるとは全然思わなくて、チェンジエージェント社の社長の小田氏に1回来ていただいたのと、その後もう1回、同社の女性の方で長年スタッフをされていた方に来ていただきました。やっぱり、何かのコンテンツを教えられるようになるのは、「徒弟制」のような学びが必要だと思います。コンテンツを学ぶ側に少々なったぐらいでは、また少々の「講師育成セミナー」を受けたぐらいでは教える資格にならないと思います。教えるからにはそのコンテンツに没入しないと。またそのコンテンツを一から作ったり認知されるために道を切り拓いてきた先生に畏敬の念をもたないと。




 「哲学的思考」とはまたすこし別の話題ですが、

 マネジャーとかリーダー向けの教育は、「猛獣つかい」の仕事でもあります。厳しい質問が出るときも出ないときもありますが、どんな質問にでも備えはできているといえるだけの引き出しが必要です。また、質問に答えられる答えられないの問題ではなくて、彼ら彼女らの中にある「攻撃性」をはるかに上回り包み込むぐらいの大きさの「愛」が必要です。 大学生とか若手・中堅だけ教えてきた人には分かりにくい感覚かもしれません。

 ―「猛獣つかい」とは、たとえば今夏公開中の映画「ジュラシック・ワールド」で主人公の訓練士がヴェロキラプトルの顔に手を出して頬をなでるシーンを思い出していただけますでしょうか―

 わたし的には、そういうことが「ノウハウ」です。

 前にも書きましたがそういうことが横でみていてわかる方とそうでない方とがいる、と思います。わかる方は少数派ですね。

 そして正田の風貌をみて、「この人は若手か中堅向きの講師だろう」と思われる方も多いんですが、どっこい理論上も組織のトップに近い方々、社長さんや役員さん、部長さんぐらいから課長さんあたりまでの人に学んでいただくのが組織への浸透はいいです。中堅さんあたりにだけ教えても立ち消えになります、1つの組織の中で。また正田自身もそのクラスの上層部の「獰猛な」方々と相性がいいです。子供子供した見かけ上そう見えないかもしれませんが。

 「見かけ問題」最近もフェイスブックにぶちぶち書きましたが困ったものです―。
 ちょっと「16か条」から話がそれてしまいました。


そういえば去年、わたしの講師ぶりをみて「話す口調に一切ナルシシズムが入っていない」と言われた方もいました。
色々総合して「16か条」作り直さないといけないかもしれないです。











(一財)承認マネジメント協会
 正田佐与