お誕生日にいただいたメッセージのご紹介 第二弾です。
 佐賀県の研修業・Training Officeの宮崎照行さんより。先月、新たな実践経験談 ”教育困難校”と「行動承認」―佐賀県・宮崎照行さんのメールより の記事で登場していただきました。

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正田先生

お誕生日おめでとうございます。
いつも考えるキッカケを与えてくださるブログの投稿、ありがとうございます。

この1年もさまざまな視点でのご投稿を心より楽しみにしております。

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昨日のブロク『褒めない・叱らないは正しくない!「逆張りロジック」に正しく反論する知性を磨こう―「嫌われる勇気」著者講演会』を興味深く拝読いたしました。

私が疑問を感じたのは下記の点です。

>「叱る、とは、対人関係において、相手を"下"だと思っているからできる行為である。対等だ、同じ価値を持った人だと思って接すればいいだけである。褒めるのでも叱るのでもなく、言葉で説明する。話し合えば1歳の子どもでもわかるものだ」
「叱られた子どもは、大人の顔色を見るようになる。自分で判断するのではなく、叱られないならやる、という風になっていく。」
私は、自己認識をする上において、第三者からのフィードバックにより事実を意味づけることが可能になると考えています。特に、タブラ・ラサ状態の子供に対しては、そうなると「叱る」「褒める」などの行為を通してのフィードバックによって事実を客観視させていく必要があります。
何も相手を“下”だと思っているわけではありません。”希望”や”期待”からフィードバックをしています。”希望”や”期待”が相手に伝わるために必要なことは何か?私は、信頼関係だと思っています。だからこそ、普段の何気ない声がけやそれこそ「承認」が必要です。信頼関係が築けると”下”や”対等”などの階層的意味付けは自然消滅してしまうと思っています。


>「では、褒めるのはどうか?褒めるのも対等と思っていたらやらないですよね。褒める行為は、能力のある人が能力のない人に下す評価である。 褒められて喜ぶのは、自分の能力がないと思っている人なのかもしれない」「褒めて欲しいから行動する、というような振る舞いになっていく」
私は、褒められたら素直に「嬉しい」です。それがエネルギーになることも多々有ります。別段、自分の能力が劣っているとも思っていません。この点は、岸見氏の表現は危険極まりません
「褒める」も肯定的なフィードバックの一つだとすると、行動を強化する強化因になるわけですから、別段、「褒めて欲しいから行動する」わけではなく、「その行動が正しいから行動する」だけであると思います。

私自身、「褒める」という表現は肯定的なメッセージの一部分しか表していないので「承認」という表現を好んでいます。今回、岸見氏の講演では、肯定的なメッセージを「褒める」ということだけに限定されていることに無理があるのではないかと思っています。
そして、私が危惧していることは、岸見氏のような大ベストセラー作家の講演に対して、、産業カウンセラーの方々が思考的盲目になられている点にあります。「売れている」=「正しい考え」のような図式が成り立っているようなきがしてなりません。専門職の方々に声を大にしていいたい。「もっと深く勉強をしてください」「自分の力でもがき苦しみ、解決の方略としていろいろと調べて下さい」と。

『嫌われる勇気』は読み物としては面白いかもしれませんが、わたしは参考になる点は、残念ながらあまりありませんでした。

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【私が正田先生を尊敬する理由】
|療好奇心が旺盛なこと
表面上の知識だけでなく、深いレベルで理解されようとすること
H稟修気譴襪箸は客観的なデータを用いたり、一過性の感情論ではなく、しっかりと論理的矛盾をつかれること
ご蕎陬譽戰襪範斥レベルがうまくバランスがとられていること

改めて、お誕生日おめでとうございます。
乾杯!!

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 いかがでしょうか。
 正田は、このメッセージをいただいたとき、ほっとしてしばらくダラーっとしてしまったのですが(情けない・・)本当はこういうのは、承認される側より承認する側が偉い、のかもしれないです。器が大きいのかもしれないです。あたしはどうみてもこんな賛辞には引き合わない。
 
 と思うんだけれども、万一ひょっとしてこの世のどこかにもうお1人ぐらい、正田のことを「いい」と思ってくださってる方がいて、そのことがその方が「承認実践者」であられるためのモチベーションになっているとしたら、その方にとっては自分と同じように思っている人が少なくとももう1人いる、と思えることは勇気づけになるわけじゃないですか。
 などという言い訳をして、ナルシスティックかもしれないんだけれどもおほめの言葉をいただいたのをUPしてしまうのでした。

 宮崎さんの岸見講演について言われた論点、「ふだん承認をしていればフィードバックに上下の感覚は入らない」、これはおっしゃる通りだとわたしも思います。わたしの記事ではそこが抜けていました。
 「褒めてほしいから行動する」のではなく「正しいから行動する」。大事なポイントですね。「自律」というとき、ある人が自律的に行動するに至るメカニズムとは何か。要はこういうことなのではないか。と、思ったりします。(これはまだ考え中の段階ですが)

 また、聴衆の方々がクリティカルシンキングが出来ていないようにみえること。ちょうどこのブログでも、某自己啓発本のWEB書店ページにならぶ賞賛のレビューの数々のことを言っていたところです。それはステマかと思っていたのですが、実際にこの講演レポートが紹介されたFBページでも、アドラー心理学への賞賛のコメントばかりが並び、わたしなどは「えっ?」と思いました。そこへわたしが「アドラー心理学を批判していいですか?」と記事引用のお願いのコメントを入れたので、すごい空気読まないことをやっていたわけです。

 皆さん、やっぱりもうちょっとちゃんと考えましょう。皆さんの現場での実感と食い違ったらそう言っていいんですよ。でないと皆さんの大切なお子さんを不幸にしてしまいますよ。
 

 あと、宮崎さんは、「自分の名前を出してもらって構わない」と言われたのですが、岸見氏のようなベストセラー作家を公開で批判するというのは、ほんとうはご自分が今後出版の世界で上手く泳ぐには不利になるかもしれないんです。このところ出版業界さんというのは、言うては悪いですが「石橋を叩いて渡る」、ベストセラー作家頼みの傾向が強まっています。そして売らんかなで「逆張り」をやり、反常識を通り越して非科学トンデモ、のこともお構いなしです。

 でもそういうドン・キホーテ的なことをあえてする人がもう一人いたというのは、ちょっと嬉しいですね。


 ドン・キホーテついでに、本日21時すぎ、わたしがフェイスブックに投稿した文章もご紹介します:

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お友達の皆様ありがとうございます❗昨日21時56分にUPしたこちらの記事(褒めない・叱らないは正しくない!「逆張りロジック」に正しく反論する知性を磨こう―『嫌われる勇気』著者講演会 )が、今まで約1日のうちに学校の先生を含む10人の方にシェアしていただき、654PV、110いいね!と、ささやかな私のブログとしては過去最高の数字となりました。
昨年来、このベストセラー書の影響を受けた方が残念な言動をとられ、職場の雰囲気が悪くなることを垣間見、憂慮してきました。子育てに深刻な影響をもたらすことも予想されました。どんな子育てを選ぶかは、どんな未来を選ぶかにもつながります。
このTLを読まれる方には出版界の方もいらっしゃり、きっとベストセラー書とその著者というのは大事な収入源でいらっしゃると思いますが、それでも食品添加物の問題などと同様、消費者に良質のものを届けることを大事に考えていただきたいのです。未来を担うお子さん方に関することなのです。
目の前で起こっていることについて真摯に考え、態度表明されることを厭わないお友達の皆様に感謝と畏敬の念を持ちます。私にとってまたとないお誕生日プレゼントでした。ありがとうございます❗️これからもよろしくお願いいたします。

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 では、宮崎さんの「乾杯!!」に少し遅れて、わたしもお猪口のワインで乾杯して寝まする。。


正田佐与


<シリーズ・アドラー心理学批判>

●「勇気づけ」についての副作用情報。。(2014年12月)
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51903598.html

●褒めない・叱らないは正しくない!「逆張りロジック」に正しく反論する知性を磨こう―『嫌われる勇気』著者講演会 (2015年12月)
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51927076.html

●「自己認識には事実のフィードバックが大事」「思考的盲目が心配」―宮崎照行さんのメッセージ(同)
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51927143.html

●「子どもさんは大いにほめてください。そして叱ってください」―正田、アドラー心理学セミナーで吠えるの記 (2016年1月)
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51933511.html

●「誰もが活躍できる社会」とは「承認社会」―NYさんからのメッセージ (同)
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51933591.html

●「勇気を持って指摘されたからこそ、いずれ考えを改める」―永井博之さんからのメール (同)
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51933656.html

●『行動承認』Kindle化に向けて(4)メディアの考える怠惰なお客様と「行為者」の乖離、王道とパチモンの「大衆的人気」(2016年5月)
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51940842.html

●NHKおはよう日本 アドラー心理学特集を批判する(同)
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51940920.html

●NHKおはよう日本 アドラー心理学特集を批判する(2)友人たちの反応 (同)
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51940923.html

●『行動承認』Kindle化に向けて(5)行為者の脳発達と細胞レベルの変化の可能性――林田直樹先生との対話より(同)
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51940962.html

●アドラー心理学批判 「承認欲求否定」「ほめない叱らない」はどこから来るか―「共同体感覚」との関連において―アドラー『個人心理学講義』をよむ
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51941070.html

●アドラー心理学批判・友人からのお便り「幼稚さ、ナルシシズム亢進、成熟拒否」
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51941137.html

●アドラー心理学批判 「トラウマ否定」「承認欲求否定」起源はみつけたが誤読と捏造だった―『人生の意味の心理学』をよむ
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51941143.html

●アドラー心理学批判 アドラーの罪:発達障害者向けのお説教と批判封じ
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51941204.html

●アドラー心理学批判 まとめ:「承認欲求を否定せよ」「トラウマは存在しない」有害フレーズの捏造と岸見氏の罪
>>http://c-c-a.blog.jp/archives/51941255.html