お世話になっている皆様

 遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。正田佐与です。
 暖かかった3が日、皆様はいかがお過ごしになりましたか。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
※このメールは、正田が過去にお名刺を交換させていただいた方・イベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。ご不要の方は、メール末尾にありますURLより解除ください。
(解除方法が変わりました!詳細はメール末尾をご覧ください)


 本日の話題は:

■“百家争鳴時代”に正しくあるために―
 年頭のごあいさつをお送りします

■頭の体操(1)「少人数学級は学力が上がらない」は本当か?

■頭の体操(2)「ほめると子どもはダメになる」は本当か?

■頭の体操(3)「ダイバーシティー経営は儲からない」は本当か?

■障害のある人をどうマネジメントするか。「月刊人事マネジメント」連載記事を更新しました
 
------------------------------------------------------------

■“百家争鳴時代”に正しくあるために―
 年頭のごあいさつをお送りします

 今年も、わたくし正田は「承認研修」を通じて、企業・組織の皆様に精一杯お役立ちをさせていただきます。
 年頭の決意を述べたブログ記事をこちらに掲載しました:

◆厳しさの復権、異論叩き、最後のセーフティーネットー力の限りお伝えし続ける「承認2016」
 http://c-c-a.blog.jp/archives/51932641.html
 ここでは、
1.「承認研修」のもつもう1つの意義―「適切な厳しさ」の復権
2.高業績を生み続けるもう1つの要素―異論を叩き続ける正田の「先生仕事」
3.教員定数削減に関する思いと、「承認企業の職場が若者の最後のセーフティーネット」
というお話をしています。読者の皆様、もし、お時間とご興味があれば、ご覧ください。

------------------------------------------------------------
■頭の体操(1)「少人数学級は学力が上がらない」は本当か?

 昨年6月に出版され、教育界・経済界で大きな話題になった本があります。
『「学力」の経済学』(中室牧子、ディスカヴァー・トゥエンティワン)。
 この本は、「教育政策にエビデンスを反映させよう」という主張をし、これまでになかった、「数字で語る教育」という視点を提示して話題を集めました。現在Amazon「経済・経済事情」カテゴリで1位、人文・思想・教育学の「教育」と「一般」のカテゴリでもそれぞれ1位と、大変よく売れている本です。
 この中に「少人数学級では学力は上がらない」という“知見”があります。
 40人学級を20人学級にしても、学力の目だった向上はみられなかった、という研究に基づいています。これをもとに、この本の著者の中室牧子氏(慶応大学准教授。“美人研究者”です)は、
「少人数学級は財政的に大きな負担となる施策。学力向上効果がみられないのであれば、導入する必要はない」と“主張”します。
 これは、「今のスマホ、発達障害等でかつてなく指導しにくい子どもたちを指導しようと思えば、学級定員を減らしてもらうしかない」と考える、現場の多くの公立学校の先生方にとっては、“打撃”になるかもしれない知見です。
 現場の感覚的には、「20人ぐらいの少人数学級にすれば今よりはるかに子供たち一人一人をきちっとみられ、生活指導も学力のサポートもしやすいだろう」というのが“自然”なところです。
 産業界の経営者、管理者の方が多い、このメルマガの読者の皆様は、どう思われますか?

 1分だけ考えていただいたうえで、わたくし正田からの“たねあかし”をご覧いただきたいと思います。
◆「少人数学級は学力を上げない」はウソ!―シリーズ『「学力」の経済学』はこんなにトンデモ
 http://c-c-a.blog.jp/archives/51932847.html

 このほか、『「学力」の経済学』という本は、アメリカのコロンビア大学で博士号をとったという著者の本である割には、非常に雑な、間違った記述が満載です。明らかにまったく現場を知らない、がゆえに間違っている著者によるこの本が「政策提言」をするなどはおこがましい、とすらわたくしは思います。
 是非、読者の皆様もご一緒に考えてみてください。
 わたしたちの大切な子供たちや孫たち、どんな教育を受けるのが望ましいのでしょうか。また、未来の御社の大切な戦力となる子供たちは。

『「学力」の経済学』はこんなにトンデモ のシリーズ記事はこちらです
◆エビデンスに惑わされず、論理の飛躍をじっくり味わいたい、「ほめてはいけない」論―シリーズ『学力の経済学』はこんなにトンデモ
 http://c-c-a.blog.jp/archives/51932574.html
◆中室牧子氏(教育経済学者)は、恐らくASDだと思うこれだけの理由。
 http://c-c-a.blog.jp/archives/51932830.html

◆「少人数学級は学力を上げない」はウソ!―シリーズ『「学力」の経済学』はこんなにトンデモ
 http://c-c-a.blog.jp/archives/51932847.html
◆「学力を上げる」先生方はどこを見ているか―シリーズ『「学力」の経済学』はこんなにトンデモ
 http://c-c-a.blog.jp/archives/51932903.html
 なお、わたくし正田の考える、公立学校教育のあるべき姿はこちらです:

◆優れた先生方との交流の思い出と、正田流・教育現場いかにすれば良くなるのかの試論
 http://c-c-a.blog.jp/archives/51932764.html 
------------------------------------------------------------
■頭の体操(2)「ほめると子どもはダメになる」は本当か?

 もう1冊、昨年暮れに「ほめてはいけない」という論旨の本が出版されました。
『ほめると子どもはダメになる』(榎本博明、新潮新書)。
 手ごろな本なので、もう、お手にとられた読者の方もいらっしゃるでしょうか。

 これについてわたくし正田はハンドルネーム「ヒトリシズカ」名で早速Amazonレビューを投稿しました。このレビューは1月8日現在、15人中13人の方に「参考になった」と支持され、この本のレビュー欄のトップに載せていただいています。

****
「印税稼ぎの本」by ヒトリシズカ
 「大学教授を辞めた著者は印税稼ぎの本を書く」というセオリーは本当のようだ。2015年、著者10冊目の著書。やはり論理の粗さ雑さは否めない。

著者のロジックをよくよくみると、某教育評論家の著書からの影響なのだろうが、「ほめる教育」と「叱らない教育」を混同していることに気づく。

また、著者が今の若者の問題として挙げる「傷つきやすい、頑張れない、意志が弱い」これらは本当に「ほめる教育」の産物なのだろうか?最近の若者の世界を激変させたものとしては他にも「スマホ」そして「発達障害の急増」がある。本書にはそれらについての考察がまったくないが、「傷つきやすい、頑張れない、意志が弱い」いずれもスマホによる人間関係の濃密さや不安定さ、実体験の不足と大いに関連づけられる。また学習能力がなく同じ失敗を繰り返すなどは、発達障害であるADHDの傾向を想像させる(ADHDを含めた発達障害は急増しており、著者が名城大学を2011年に退職した後の最近の各種調査によれば、子供世代の1割弱を占めるとみられている)

こうした、今の若者を見るための不可欠の視点を欠いたまま問題と「ほめる教育」を結びつける本書の議論は極めて短絡的である。

厳しさの復権というところには賛同するが、それを成り立たせるための信頼関係の醸成には何を行うべきか?「悲しげな目」というのはいささか「古き良きニッポンの母」へのノスタルジーが強すぎるのではないだろうか?

著者は、子供さんたちが親御さんからほめ言葉すなわち肯定のメッセージを受け取れなくなるということがどれほど恐ろしいことか見えていない。その想像力不足や無責任さには暗澹とせざるを得ない。

 例えば今急増している家庭や施設での児童虐待問題をどう解決するか。親や養育者にスキルトレーニングし、スキル向上によってストレスを減らし子供さんをよい方向に導かせることが解になるが、その虐待防止プログラムの中にも「ほめる」を含めた行動理論は含まれている。社会問題解決の有効な道筋を個人的な印税稼ぎのために閉ざしてしまうこうした著者や出版社の姿勢は厳しく指弾されるべきである。
****
 いかがでしょうか。
 メルマガ読者の皆様、本を売りたい一心のでたらめな議論に耳をお貸しになりませんように。
 大切な子供さんや部下の方の教育は、正しいやり方をしっかりエビデンスを確認しながら選んでください。

 このレビューよりさらに詳しい「反論記事」はこちらです。ここでは、現在「承認研修」を受けたあと実践者である読者の方を想定して、「この本由来の変な横槍」が入ったときに困られないように、「反論法」をご指南しています:

◆余裕で反論できます。レッツトライ『ほめると子どもはダメになる』
 http://c-c-a.blog.jp/archives/51932702.html 

------------------------------------------------------------
■頭の体操(3)「ダイバーシティー経営は儲からない」は本当か?

 2号前のメルマガで、『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』という本の、「ダイバーシティー経営は損」という知見についての批判をご紹介しました。
 実は、この知見はそもそも「マッチポンプ」だった、ということが、この本の後ろのほうのめだたない記述まで読むとわかりました。
 このことをまたAmazonレビューに書きました。このレビューも、現在この本のレビュー欄トップに掲載されています。
****
「統計はウソをつく。心して読まれたい」by ヒトリシズカ
世界の経営学の注目トピックをわかりやすくガイダンスしてくれる本書。しかし部分部分に引っ掛かりがあり減点となった。
ダイバーシティーはタスク型ダイバーシティーとデモグラフィー型ダイバーシティーの2つがあり、前者は業績を向上させるが後者は差がないか低下させるという。これに基づき、「女性を雇う必要はない」とまで著者はいう。
いや、ここには「統計のウソ」が潜んでいる。
なぜなら「デモグラフィー型ダイバーシティー」の効果を検証するには、「デモグラフィーの多様性の一切ない企業」を一方の比較対象にする必要があり、それは多くの場合、「大学生同士で起業したてのスタートアップ期のベンチャー」という、非常に特殊な企業になるからだ。
著者は後の方で「同質性が功を奏するのは会社のステージによる(つまりスタートアップか円熟期か)」ということを言っており、つまり冒頭の知見は後者の知見と必ずセットで考えなければならないのだ。冒頭の知見は、こう言いかえたほうが妥当だ。「ベンチャーを起業したいなら、同質の人間と組んだほうが多少数字がいいという知見が出ているよ」。
こうした、意図的かどうかわからないが本書には「統計のウソ」が含まれていると考えてよい。統計学は、担当者や研究者が主張するよりは低く評価されるべきである。
****
------------------------------------------------------------
■障害のある人をどうマネジメントするか。「月刊人事マネジメント」連載記事を更新しました

 昨年から今年、7回にわたり「月刊人事マネジメント」(ビジネスパブリッシング社)に連載させていただいた、「上司必携・『行動承認マネジメント読本』」。
 第6回の記事を、編集部様のご厚意で公開させていただきました。
 今回は、「障害のある人のマネジメント」がテーマ。発達障害の人の急増に合わせて、発達障害をもった人のマネジメント法も後半で触れさせていただいています。

◆第六章 部下の凸凹を包んで戦力化する―月刊人事マネジメント12月号
 http://c-c-a.blog.jp/archives/51932814.html  この記事はフェイスブックで沢山の方から支持していただき、「シェア」もしていただきました。
 発達障害のお子さんをもつ当事者ご家族の方からも、わたくしのブログの発達障害関連の記事は高く評価していただいています。

------------------------------------------------------------


★「数字を読めない」をSYというのだそうです。しかし、昨今の状況は、「数字の裏を読む」能力が求められるようです。現役経営者、管理者である読者の皆様とともに、頭の体操、がんばりましょう。



※このメールは、正田が過去にお名刺を交換させていただいた方・イベントやセミナーにご来場いただいた方にお送りしています。

解除される場合は、下記の解除フォームから受信していただいたメールアドレス入力して下さい。
メールアドレスを入力していただいた後、解除専用の確認メールをお送りさせていただきますので解除専用のURLをクリックして下さい。
http://mag1.hyper-mail.jp/md/publish/quit.asp?mid=1044 

いたずら防止のため解除の確認メールをお送りさせていただいておりますのでご理解のほどよろしくお願い申し上げます。


※このメールの過去アーカイブはこちらです
http://c-c-a.blog.jp/archives/cat_50052130.html 

※このメールは転送歓迎です。
もしこのメールを新たに購読ご希望のかたがいらっしゃいましたら、
info@c-c-a.jp まで、「メールニュース希望と書いて
お申込みください。


*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*
100年後に誇れる教育事業をしよう。
正田 佐与(正田佐与承認マネジメント事務所)
----------------------------------------
Email:info@c-c-a.jp
TEL: 078-857-7055 FAX: 078-857-6875
Post:〒658-0032 神戸市東灘区向洋町中1-4-124-205

ツイッターアカウント: @sayoshoda

フェイスブックページ: http://www.facebook.com/sayo.shoda

ブログ「正田佐与の 愛するこの世界」
http://c-c-a.blog.jp/

近著『行動承認―組織の能力を最大化する「認める力」』
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4434198572 


*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*…*