10数年ぶりに「演劇」を観ました。


 脚本家永井愛の新作、「かたりの椅子」といいます。竹下景子主演。


 大阪では、梅田のシアター・ドラマシティできのう27日1回きりの公演。


 この劇では、東京のある架空の市でのアートフェスティバル準備を舞台に、市の財団とそれに雇われた民間のプロデューサー、実行委員長になった日本人アーティストの間に起こる葛藤を取り上げていきます。


 とってもリアル。モデルがあったらしい。


 実行委員長の作った独創的な案は、財団によってどんどん骨抜きに。

 最後は犯罪にまで発展し、そして…。


 財団の女理事長が文科省からの天下りで名誉欲とか上昇志向とかの固まりなのですが、既に何が自分にとって一番大事とか何のために動いているとか、わからなくなっている。


 プロジェクトがちょっとこじれると、関係者がどんどん本当のことを言わなくなり、


 簡単なことを遅らせ、そして電話に出なくなったりする。


 あるなあ〜(しみじみ)


 一時期正田も某自治体にどっぷり関わっていたので、この感覚すごくわかる。


 何かを本当になしとげようとする少し長期のプロジェクトに、とにかく横やりが入り、そして最後は「なかった」ことにされていく。


 そういうときの1人1人の行動は、目をそらさずに見れば見るほど、本当に醜い。

 官僚は、一度話がこじれだすと、もはや自分が何を守ろうとしているのかわからなくなる。でも、ひたすら守ろうとするし、そういうときはやたら結束する。(ふだん仲悪いくせに)


 それが傍からみれば大いなる税金の無駄遣いだったり、人材や労力の無駄遣いなのだが、そんなことはどうでもいいのだ、もちろん。内向きなんだから。



 プログラム本によると、この脚本を書くため、永井愛氏と周辺の人々は、「官僚主義」の不毛なエピソードを取材していたが、


 「まさか、この現代社会にそんなことがあるなんて」


 という話のオンパレードであったらしい。



 そうした醜さの中にどっぷり浸かると、そういうことを直視しない、話題にもしないことの方が自分の精神衛生のために良くなる。


 
 あえて取材をし続け、凄い脚本に結実した永井氏に敬意を表したい。



 ちなみに正田も、「コーチ」をやってはいるけど人の心の醜い部分や醜い行動に目をそむけないで向き合おうと思っている。それらを計算に入れなくては、本来仕事は成り立たない。

 もちろん、「よいこと」を成就するために学ぶのではあるけれど。



 劇場で永井愛サイン会をやっていたので大喜びでサインしてもらった。

 
 そのために買ったのが文庫本だったというのが悲しいが(すみません)


 
 「かたりの椅子」は、このあときょう滋賀公演、4月2日―18日に東京・世田谷パブリックシアター公演。


 東京方面の方は、観るチャンスがあるかもです。


 ちなみにこの公演について私が知ったのは、Y新聞の芸能面です。


 やっぱり新聞を信じちゃうところがありますが、これは正解でした…。




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