お宝発見。


 いえ、私のばあい大した「お宝」ではないんです…


 三宮のジュンク堂で、ネット書店で入手できなかった『パーソナリティを科学する―特性5因子であなたがわかる』(ダニエル・ネトル著、白楊社)をみつけました。


 「今はパーソナリティ研究のルネッサンスだ」


 と、この本は言い、最新の脳科学の知見などをふまえ、たくさんのパーソナリティ因子を5つの大きな因子

・外向性
・神経質傾向
・誠実性
・調和性
・開放性

に統合できるとしています。


 その断定的な口調、なんだかあやし。…と、ツッコミを入れながら、


 私個人はこの本のお蔭で自分について新たに解明できたところがかなりあるなあ、と思いました。


 おそらく私は、「神経質傾向」がけっこう強く、「外向性」は低い、のです。

 神経質な人は、この本にもあるように心を病む確率も高く、社会生活に支障をきたすことが多い可哀そうな人です。

 (亡くなったアメリカのビジネスコーチングの祖、トマス・レナードは自分のことを「スーパー・センシティブ(SS)」と言っていて、一時期日本のコーチの間でも「私SSで」なんて言うのが流行りましたが、よく言えば「感受性が強い」、普通に言えば「神経質」なのです。)
 
 で、人前で話す仕事なんかにはおよそ不向きなはずなんだけど、

おそらく「誠実性」を無理やり高めて、神経質をねじ伏せて補っているのだろう、と思いました。


 
「たとえばあなたが、道徳的かつ論理的見地から考えた結果、自分の時間を捧げる対象として、地球温暖化の意識を高めることが最も大切だという結論に達したとしよう。問題は、あなたの外向性が低く、神経質傾向が高いことである。つまりあなたは、とうてい演壇の上で聴衆に向かって呼び掛けたり、あるいはメディアを通じて人々を説得する仕事に向いていないのである。その種のキャンペーンには、大衆の想像力を捉えるカリスマ的指導者や話し手が必要なのだ。」



 ひー。うがちすぎてるこの本。^^



 で、そういう神経質な人は、カリスマを目指さずに気候の変動に関する最新の科学的研究を集め、批判の目で査定するためのリサーチワークをすればよい、とこの本の著者は言います。


 はい。そうなんですけどね。

 このブログを長く読んで来られた読者の方なら、このブログ自体にかなりそういう傾向があることを読み取っておられるでしょう。


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 カリスマとか、悪いほうで言うとサイコパスの人は、人の心を操作するという点で心理に長けています。共感性はなくても外向性をつかって、一瞬で人の心をとらえてしまいます。

 ところがこれらの人たちは、「そのあと相手がどうなるか」にはまったく関心を寄せない。だれかさんみたいに「副作用がどうの予後がどうの」とグチグチ言わないのです。

 すみませんこの部分は本の引用というわけでなく、私の心の声の「脱線」なので罫線で仕切っています
 
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 閑話休題、

 しかし何の因果か、「神経質」でおよそしゃべりに不向きなはずの私がこのところしゃべりの仕事のお話も頂戴するようになり、そっち方向に行くようになってしまっているのでした。


 性格を作る因子の中で、遺伝によらない環境因子として、「生育環境」はあまり性格に影響を与えないかわり、「学習」は影響を与えるかもしれない、というのでした。


 世の中には根っから外向的で社交的で、人前で話すことを楽しめる人がいます。

 楽しそうに話す人の話は、きいていても楽しくなるものです。


 また、この本で言う「開放性」は、どうも「芸術性」のことらしいのですが、これが高い人はおそらく、同じコーチングの話をしていても、落語のようにある種の「芸」の域まで高めてしまいます。


 正田にはそれはないなあ。訥々と、ひたすら「誠実性」をつかってしゃべるだけです。


 ただそういう種類のしゃべりにもまた、何かしらの効用があるようで…、


 結局人はひとりひとり生まれてきた意味があるのでしょう。



 秋の夜長、しみじみ自分のことばかり考えてしまいました。




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
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