正田佐与の 愛するこの世界

神戸の1位マネジャー育成の研修講師・正田佐与が、「承認と職場」、「よのなかカフェ」などの日常を通じて日本人と仕事の幸福な関係を語ります。現役リーダーたちが「このブログを読んでいればマネジメントがわかる」と絶賛。 現在、心ならずも「アドラー心理学批判」と「『「学力」の経済学』批判」でアクセス急増中。コメントは承認制です

タグ:日本人

2日夜、よのなかカフェ「日本の企業をつながり力で変える!」を開催しました。

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 冒頭、正田からお話。

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 このブログを長く読まれている方だと、ほぼストーリーの想像がついていただけると思いますが・・・


「人材育成の不幸な20年」「幸せの感じ方のちがい」「労働生産性、チームワークは危機的状況」「つながりの良い面と悪い面」「不安マネジメントがつねに必要な日本人」「承認中心のコーチングが目指しているもの」「現実に起こったモデル」「承認コーチング企業改革で起きること」

などを手短にお話・・・ (しかし、10分のつもりが30分に)


このなかで、(ブログで既出ですが)日本人とアメリカ人の気質的、器質的ちがいを取り上げ、

「こうした(社会心理学・分子生物学上の)研究は1990年代後半から盛んに出ているのに、何故か人材育成業界ではこれをベースに議論していない」

と問題提起しました。

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このあと参加者の皆さんの自己紹介とディスカッション。

「承認中心のコーチング」で手ごたえを感じ、

「自分はバブル期に入社し、面白いように商品が売れたいい時代を知っている。今の若い子に同じ思いを味わわせてやりたい」
「次世代リーダーを作らなければと感じている」

と語るミドルの方。


「これまで放任でありすぎたと感じた。みんなが一丸となって同じ方向を目指すコーチングを社内に取り入れていきたい」

と語る人事担当の方。


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「今、こういうことで悩んでいます」

と語る会社役員の方。

同様の経験をした方からのアドバイスなどがありました。

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「ぼくたち教師は 今何が必要なの? 学びとは何か 育つとは何か ということを教えてあげたほうがいいんじゃないか 学びは手段ではなく目的ではないのか」と語る高校教諭の方。


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「日本人の特性を解説してもらい、なるほどと感じた。
ただ当社は10人くらいの会社なので、背中を見せるぐらいしかできなくて・・・」

と語る広告業の方。

カフェでは語られませんでしたが企業の規模によっても業種によっても、人材育成のあり方は変わってくるでしょう。
「背中を見せる」という形のOJTあるいはモデリングが中心となる、というのもいいのではないでしょうか。


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雪も舞う神戸の2月の夜。寒い中をご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!


ファシリテーター山口裕史さん、カメラ&UST担当山口元子さん、そして会場のアロアロ白石さんにも
改めてお礼申し上げます。


次回は3月1日(木)19:00〜より、
「3・11が私たちに残したもの」(仮題)

会場アロアロにて行います。


神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp



・・・それから、性格の悪い正田は
このところふっかけられた議論、異論について
回答する資料を今回の手元資料の末尾につけておきました

もしこの資料をご覧になりたい方はメールinfo@c-c-a.jpまでご請求ください。


 太田肇・同志社大学政策学部教授の新刊『「見せかけの勤勉」の正体―なぜ成果主義は失敗したか』(PHP研究所)。


◆仕事に対して非常に高い熱意を感じている日本人は9%、14か国中最低
◆同、「非常に意欲的である」は2%、16か国中最低
◆職場生活に「満足」「やや満足」は5か国中最低
◆今の職場で仕事を「続けたい」が11か国中最低


といった、日本人の意欲の低さを示す気のめいるような調査結果群。


そしてチームワークを示す指標(同僚を信頼できるか、仲間を助けるか、ノウハウを教えるか)も欧米に比べ著しく低い。


労働生産性はOECD30か国中20位、主要7か国中では14年連続最下位。


「要するに彼ら(日本人)はがんばって長時間働いているように見えるが、そうした働きぶりのかなりの部分は『見せかけのやる気』だった可能性が高い」


と、著者は言います。



そして、IT化により定型的な仕事が減少した現代では、機械化、自動化できない仕事が残る。


それは人間特有の能力である独創性や創造性、勘やひらめき、想像力や判断力などを活かす仕事、臨機応変で心の込もったサービスなどである。あえて最大公約数的な言葉を探すなら「知恵」だろう。


(中略)そこで一人ひとりに問われるのは、能力・資質とならんでモチベーションの質である。「見せかけ」ではなく、本物のモチベーションが必要なのだ。


そして、本物のモチベーションは本人の自発性から生まれる。



うーんお母様研修で出会った幼児教育漬けお母様にきかせたいよう。


古くて新しい議論ではあるが、では本物のモチベーション、自発性はどうしたら生まれるか、ということで、著者は「やる気の足かせ」という概念を提起します。


1)くすぶる、残業への不満
2)定まらない目標
3)過剰な管理
4)まだら模様の人間関係
5)不公平な評価、処遇


詳しくは本書をお読みください…


寡占(独占)状態にある大企業や、政府によって守られてきた銀行、それに役所のような非営利組織などでとりわけ管理の強化はとどまるところを知らない。なぜなら管理を強化しすぎてメンバーのやる気が落ちたり仕事の効率が低下したりしても市場で淘汰されることがない。という指摘はまさしく!という感じ。


「管理されることに慣れている日本人は、過剰管理が相当ひどくならないかぎり適応してしまう」。


 うんうん。「それヘンだよ」という裸の王様発言が出てきにくいのかもしれない。


 
 「承認」がらみの著作が続いた太田教授だが、批判精神は健在。

 「ほどのよさ」「いい按配」という感覚をもつことが大事ですね。これも自戒をこめて。


 唯一、「マネジャー」に関する記述には同意できない部分もあるけれど…^^;、
(つまり、「片手間でよい」という議論と、本書で示す過剰管理以外の部分での要求水準との間にギャップがあり、全体としては「要求水準を満たしたうえで片手間でよい」という議論になっているから。非常に有能なマネジャーでなければいけないことになるし、そのためのトレーニングをどうする?という話にもなる)


 「日本人の働き方」について、転換点を示した著作になるかもしれません。




神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp


 これを言うとびっくりされる方もいらっしゃるかもしれませんが、


 NPO法人企業内コーチ育成協会の前身の任意団体、企業内コーチ育成団体コーチング・リーダーズ・スクエア(CLS)の、初代の顧問は、故鬼塚喜八郎・(株)アシックス元会長でした。


 
 不思議なご縁で、当団体の意図していること、育成してきた人物像、成果などをお話すると、顧問就任を快諾してくださったのです。



 鬼塚会長は、2006年のCLS主催のイベント「コーチング関西」の午前の部に基調講演され、そのあと午後の部も残って企業内コーチたちによるパネルディスカッションまでご覧になり、


「コーチングはわれわれの若い頃にはなかったが、素晴らしいものですね。感動しました!」


 と、言っていただいたのでした。



 教え子がほめられ正田はまたウルウル〜♪



 その当時から、「コーチング」といってもアメリカ生まれの「コーチング」に少し違和感をもち、


 日本人本来の良さである誠実さや思いやりをベースにしたもの、また武士道精神のような倫理性を加味したものを志向していたのでした。


 武田建・関学名誉教授のいわば「古武術のようなコーチング」を講座プログラムに取り入れているのもそれがありますし、

 現顧問である太田肇・同志社大学教授の提唱される「承認論」も、太田教授のオリジナルで、「日本発の組織論」として各国語に翻訳されています。



 また、現実に企業内コーチたちはそれで「異常値」とも呼べるような成果を挙げてしまっているのでした。



 思い切って、自分たちのやっていることを「コーチング」と呼ぶのをやめ、「企業内コーチ育成」と、よぶことにしたいと思います。


(もちろん、中身のコア技術は「コーチング」というコミュニケーション手法で間違いないです。しかも「コーチング」としても非常に正統的な「コーチング」をやっています。検索で「コーチング」でもヒットするように工夫したいと思いますが…、)



 「企業内コーチ育成」にはどんな特徴があるかといいますと、
 

■日本人の標準的な人格モデルに合ったもの。具体的には「承認」のスキルが大きなウエートを占める

■自分に厳しく、他人に寛容に という、日本古来のリーダー像に合ったものである。リーダーは自制的でなければならない。

■ある程度しっかりしたスキル習得が必要。研修の時間数や継続性、期間がカギ



 高い要求をしているようですが、実際にはこのやり方で習得し、「企業内コーチ」になっていただいたとき、日々の現実の事象に効果的に働きかけをし、プラスの変化を起こすことができるので、ご本人も「楽しい」ようです。


 中途半端な研修で、

「なあんだ、コーチングなんてセミナーだけのもので、有効じゃないじゃないか」

と、がっかりさせるよりも、相手の人生を本当に思いやっているといえると思います。

 だってこれに代替する手法というのは残念ながらないですから…。


 先日は、受講生さんからのメールで

「部下から『あのとき涙が出そうになりました』と感謝されました。正田さんのエネルギー源はこれなんですね」


 とあり、ああ少し受講生さんも幸せになってもらった、とまた嬉しかった正田でした。



 当協会では1日研修はしていません。1日でコーチングの(当協会でいう基礎コースAの)傾聴・承認・質問といった基本スキルを伝えたとき、色々と好ましくないクレームや問題につながりやすいようです。


 非営利団体をしていますと、色んなことが耳に入ってきます。
 あまりネガティブなことは書きたくないので詳述はしません。


 
 せっかく非営利で教育事業をしている、なんのためにしているんだ、と問いなおしたとき、社会的責任としてお客様の利益になることをやっていきたいのです。



 
神戸のコーチング講座 NPO法人企業内コーチ育成協会
http://c-c-a.jp 


 

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